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専門的な話題ですが、ガスタービンは、現在では発電用、航空用などいろいろな分野でたくさん使われていますが、これまでの開発は、多くの機械の開発と同じような地道な技術開発の積み重ねでした。ガスタービンでは、タービン仕事を100%とすると圧縮機仕事は概略60%(小型ではもっと大きくなる)、残りの40%が有効に取り出せる仕事になります。一方蒸気タービンでは、給水ポンプの仕事は2~3%しかありませんので、両者を比較すると、ガスタービンの圧縮機仕事が非常に大きいことがわかります。

圧縮機を回す仕事が大きいため正味仕事は、タービン入口温度とタービン効率、とくに圧縮機の効率の変化の影響を大きく受けます。これらの値が高いと正味仕事が大きく増え、熱効率が大きく上がり、低いと大きく下がります。最初にガスタービンが開発された頃は、高温に耐える材料が無いため、タービン入口温度が上げられず、また流体工学も進歩していなかったため、流れの損失が大きく、圧縮機効率、タービン効率が悪く、圧縮機を回すだけにタービン仕事が費やされ、正味仕事を得るのは大変なことでした。これがガスタービンの開発を遅れさせたといわれております。昭和3年(1929年)発行の内燃機関の本(山下誠太郎著)をみると、当時の様子を垣間見ることができます。それによると、"瓦斯(ガス)タービン"の熱効率は最高記録13%であり、圧縮機の効率が上がらない、高温に耐える強度のある材料がない、羽根を冷却する手段がむずかしいなどのためにこの機械の前途に関する学者の見解は悲観的であるように見受けられると記述されています。

熱機関の理論熱効率は、高熱源と低熱源の温度で決まり、高熱源の温度が高いほどよいのです。実際の熱効率は、理論熱効率より気体の流れの損失が差し引かれます。上記の本の記述でわかりますように、ガスタービンの開発の歴史は、高温化と流体性能向上への挑戦の歴史です。1939年に世界最初の商用の4000kW発電用ガスタービンがスイスで運転され、またドイツで最初のジェット機が飛び、これより本格的な開発が始まったのです。このときの発電用ガスタービンの入口温度は548℃でした。