おすすめさん

おすすめさんのおすすめをおすすめする

比べてみると分かるものがある

かなり前の1990年代に入る頃には、ほとんどの自動車用エンジンがEFIを採用するようになりましたが、それでも「空気と燃料を混ぜてからシリンダーへ送り込む」スタイルは変わりませんでした。しかし、1993年に三菱自動車が市販した「GDI」エンジンが、その常識をくつがえします。

GDIはGasoline Direct Injectionの頭文字を取ったもので、その名の通り、燃料であるガソリンをエンジンのシリンダー内部へ直接噴射する構造です。 ただし、GDIエンジン以前にも、実はガソリン直噴エンジンは存在していました。航空機用エンジンでは、旋回時でも安定して燃料を供給できる利点から、第2次世界大戦中に採用例がありましたし、自動車用でも1954年にメルセデス・ベンツ300SLというクルマのエンジンが採用し、キャブレター仕様に比べて大幅な高出力化に成功しています。

ただし、この時の燃料噴射装置は機械式で、エンジンを停止させる時、点火をカットした後にシリンダー内に噴射してしまうガソリンで潤滑用オイルが洗い流される、といった難点もあったそうです。三菱がGDIエンジンを開発した目的は、「希薄混合気による成層燃焼」の実現です。ガソリンの場合、理想的な燃焼が得られるのは、質量比で空気14.7に対して燃料1の割合の混合気で、この比率を理論空燃比(ストイキオメトリー)と呼びます。ストイキオメトリーより燃料が多い状態を「濃厚(リッチ)混合気」、逆に少ない状態を「希薄(リーン)混合気」と呼び、「希薄燃焼」とは、希薄混合気による燃焼でエンジンを運用することを指します。